最近、催吐処置(注射で吐かせる治療)や胃切開、腸切開、腸切除や内視鏡による異物誤食の治療が増えています。

うっかり食べられてしまった、知らない間に口にしていた、大丈夫だと思って与えた、食べた事実すら知らなかった・・・。

原因は様々ですが、本当に多い事故です。

皆様にも是非、わんちゃん猫ちゃんの盗食にご注意いただきたく、自分の今まで経験した異物の数々、摘出した異物の数々を、少しご紹介します。

その① 衣類編 :パンツ、靴下、シュシュ、ストッキング、軍手、ズボンの一部(破壊して)etc.

その➁ 食べ物編:フライドチキン、焼き鳥、爪楊枝に刺さったお惣菜、串団子、ハバネロチップス etc.

その③ 中毒編 :玉ねぎ(カレー、みそ汁、ハンバーグetc.)、チョコレート、キシリトール、人体薬 etc.

その④ 植物編 :ユリ、チューリップ etc.

その⑤ もの編 :おもちゃ、壊した家具などの一部、木の枝、小石、釣り針 etc.

勤務医の頃、年間3回4回と胃切開、内視鏡を繰り返したワンちゃんも数犬いました。いつもお母さまの大好きなパンツを丸飲みしちゃうバーニーズちゃん・・・。散歩中何でも丸飲みして詰まらせてしまうプードルちゃん・・・。

開業後も、催吐処置の数はもう計り知れません。手術になってしまった数も少なくありません。

こんなもの食べちゃって、よく呑み込んだな、よく今まで症状出なかったな、なんで与えちゃったんだろう、色々な経験をさせてもらいました。

意図して与えて、悪いものだと思わなかった、詰まると思わなかった、といったケースから、必死で取り上げようとしたけど吞み込んちゃったというケース、いつものボールでいつものように遊び中、そのボールをごくんしちゃったケース、絶対届かないところに隠しておいたはずなのに、なんでだろう?というケースまで。

そして、時には、救えなかった命も・・・。ユリ中毒で亡くなった猫ちゃん、空き缶の蓋が腸穿孔して亡くなったわんちゃん・・・。

うちの子に限って、うちの子は大丈夫、と思わずに、どうかご家族皆様で常に意識してご注意いただければと願います。

ただ、起こってしまった事故に対しては、ご自身やご家族を責めても、過去には戻れません。もちろん動物本人を責めても理解できません。

慌てず、でも急いで、病院へご相談下さい。