オレのお気に入りの爪とぎ。

いつも人の目を盗んでこっそり愛用している。

誰にも貸さない、オレの宝物の一つ。

患者さんからの贈り物らしい。

自分の家の猫たちが一切使ってくれないからと、譲ってくれたらしい。

こんな代物、なぜ使わないのか、オレには理解できない。

でかすぎるからか?オレにはぴったりサイズだ。

オレのものなのに、相変わらず先生は、やたらと喜んでいる。

お前も詰めを研ぐのか?貸すつもりはないからな。

オレの部屋の目の前に、看護師が配置してくれたおかげで、人目を気にせず、こっそり使える。

オレの爪とぎ。オレの至福の時間。

でも、ついに、撮られてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ついに、取られてしまった。

勝手に、オレを父ちゃんだと勘違いしているこの姉妹。

すぐにオレのマネをする。

時々しつこい、時々生意気、でも、時々かわいい。

オレについて来る。おれを追っかける。

先生と違って勢いがないから、許せる。

でも、それはオレの爪とぎ。

頼むからそこをどいてくれ。